教育Vision

学問を幅広く修めることを通して、ものごとの本質を理解し多角的にとらえる基礎的な力を培います。自由で何度でも挑戦できる環境の中で、多様な価値観をもつ他者とともに、倫理観をもって、ひたむきに課題解決の最善策の模索と実践ができる人材を育成します。

教育Visionにこめた思い

 筑波大学は、多様な学問分野をもつ「真の総合大学」であることを強みに、さまざまな学問の基盤となる知識をもち、新たな分野の創造に挑戦しつつ他者と協調しながら自律して社会を共創できる能力をもった人材をこれまで以上に育てていきたいと思っています。これらは、複雑性が増すこれからの時代を生き抜くために必要不可欠な資質や能力です。学生個々の課題意識の本質を浮き彫りにしそれを深化させる本学独自の学位プログラムによって、それらを培いたいと考えています。筑波大学は学修のみならず学生の起業や留学など、自分の夢を叶える挑戦を強力に支援し、多様な学生が安心して自己実現に挑める環境を構築します。加えて、学び直しや生涯学習など、働き方の変化とともに変容する社会的なニーズに応える教育環境の構築も加速させます。

重点戦略−4

Next VUCAの時代[1]に活躍する学生の人間力[2]を伸ばす教育の展開

先行きが不透明で、将来の予測が困難な時代であるからこそ、その先を想像でき、ひとの役割を理解し、自立した一人の人間として力強く生きていくための教育内容や教育方法などの改革を推進します。基礎的な知的能力、社会や他者との関係性を構築し調整する能力や、それらを高め発揮するための自己修養能力といった人間力を伸ばす教育を展開します。

アクションプラン−4.1

デザイン思考に基づく、全学的チュートリアル教育の実践

学士課程を通して、創造的な課題解決思考に則ったデザイン思考を涵養し、学生個々の興味・関心の中心にある学問分野と、それに関連する分野への好奇心と実践力とともに学究心を培う「チュートリアル教育」により、ひとの価値を先取りするような、ものごとの本質を特定の学問分野の枠を超えて多角的に捉える能力を身につける教育を展開します。

アクションプラン−4.2

パーソナライズされた教育プログラムの提供と学習成果の可視化の活用

学生の興味・関心に応える、一人ひとりに最適化された教育プログラムを提供します。先端的なITツールの積極的な活用を前提に、総合智をはじめとする基礎的な学問と専門的知識を修得するとともに、学習成果の可視化を活用することで学生の成長を加速させます。

アクションプラン−4.3

経験価値の向上を促す活動の積極的支援

失敗を成功への通過点として前向きに受け入れて、何にでも、何度でも挑戦できる環境を提供します。学生ならではの経験価値の向上、社会の一員としての自発的な挑戦に繋がる課外活動や社会貢献活動、筑波大学独自の活動であるT-ACT[3]などを積極的に支援します。

重点戦略−5

自己実現と多様な社会的教育ニーズを支える教育・研究活動の新展開

コロナ禍を経てさらに加速する知識基盤社会[4]では、学生個人が置かれている環境に柔軟に対応する能力と、「個」や「他者との絆」を尊重する姿勢が求められます[5]。これらを土台として、学生誰もが自己実現や目標を達成し夢を実現でき、加えて、社会のニーズに応えることができる教育・研究環境を充実させます。

アクションプラン−5.1

自他共栄の精神をもつ問題解決実践型人材の育成の展開(学士課程)

多様な価値観をもつ他者を認め互いに信頼し、助け合う精神は、知識基盤社会において、地球規模の課題の解決に挑む根源的な基盤です。「真の総合大学」に集う多様な学生や教員との学際性や国際性に富んだ議論と、このような精神の涵養を通して、課題解決の最善策の模索と実践ができる人材を育成する教育プログラムを充実させます。

アクションプラン−5.2

創造力溢れる筑波大学ブランドの研究者・高度専門職業人の育成拡大(大学院課程)

筑波大学の特徴である学際性・国際性を深化させ、学生の主体的な興味・関心に基づいた夢の実現を、学問分野の壁を越えて強力に支援します。大学院共通科目等を充実させ、研究者・高度専門職業人としての教養や知識の更新を加速させます。

アクションプラン−5.3

社会人の学び直しをはじめとする生涯学習に寄り添う教育の展開

ライフステージにかかわらず、学ぶ意欲のある者が学びたいときにいつでもどこでも学ぶことができる柔軟な教育プログラムを構築します。社会人が期待する職業能力の向上に資する高度な専門知識や技術の修得機会を提供します。正規の課程のほかにも、エクステンション・プログラムをはじめとする教育プログラムを拡充することで、新たな学びへの期待に応えます。

重点戦略−6

国際的互換性をもつ教育システムの世界展開

2030年には、デジタル技術の発展により、時間や空間の制約を越えて学生や教職員が集うシームレスなデジタルキャンパスが実現しています。そのもとで、国内はもとより、国際的にも、学生にとって教育・研究の拠点となる唯一無二の大学であるために、国際互換性を備えた教育システムの拡充を積極的にはかります。

アクションプラン−6.1

国境を越えて学生が集う教育プログラムの開発

CiC(Campus-in-Campus)[6]とCwC(Campus-with-Campus)[7]をはじめとし、国内外の高等教育機関と連携し、国際的互換性を有する教育プログラムの拡充をはかります。留学生が日本語や日本の文化の理解を深め、多くの日本人学生が海外留学・武者修行に赴く教育プログラムを推進します。

アクションプラン−6.2

Tsukuba Education Systemの海外展開

海外キャンパスの設置をはじめ、筑波大学の高度な学士・大学院教育プログラムの国際展開をはかります。海外キャンパスと国内キャンパスが国境を越えて有機的に連携することで、両キャンパスに集う学生がともに学び合う新しい教育システムの構築に挑みます。

アクションプラン−6.3

高大接続の新機軸の創出

附属学校をはじめとする高等学校と大学との連携を強化し、大学教育の高等学校への解放、世界を先導する附属学校としての機能の強化をはかります。とりわけ、先進的なインクルーシブ教育、グローバル人材育成などの実践を加速し、その成果を世界展開に結びつけます。


[1] 移動といった物理的な制約から解き放たれ、より将来の予測が困難な時代。VUCAはvolatility(変動性)、uncertainty(不確実性)、complexity(複雑性)、ambiguity(曖昧性)の頭文字

[2] 社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力のこと。知的能力的要素、社会・対人関係力的要素、自己制御的要素から構成される(内閣府「人間力戦略研究会報告書」、2003 年 4 月より)

[3] 学生の主体的活動を支援する本学独自のプロジェクト(https://www.t-act.tsukuba.ac.jp)

[4] knowledge-based society:新しい知識・情報・技術が政治・経済・文化をはじめ社会のあらゆる領域での活動の基盤として飛躍的に重要性を増す社会

[5] OECDのキーコンピテンシー

[6] 協定を締結した海外のパートナー大学との間でキャンパス機能を共有し、国境や機関の壁を越えた教育研究交流を実現する取組

[7] キャンパス機能を相互に共有し、両者の教育研究資源を積極的に活用した教育を展開することで、学生・教職員のモビリティを高め、教育研究力を互恵的に向上させる取組を展開し、両大学におけるトランスボーダー化を推進することを目的とする国内大学間連携協定

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