Visionインタビュー:筑波大学への入職とそのときに感じた魅力 土居新治さん①

大学経営推進局で企画係長を務める土居新治さん。連続インタビューの第1回は、なぜ筑波大学に入職したかという定番のテーマですが、組織の「ビジョン」というテーマがさっそく出てきました。

――筑波大学への入職動機は何でしたでしょうか?

大学3年の時、地方銀行や飲料メーカー、数学科だったので保険業界など、最初は民間企業に就職するつもりで就職活動をしていました。しかし当時はあまりビジネスに興味も持てなかったし、向いていないこともわかったので公務員を目指しました。大学4年の時に試験勉強をして、国立大学法人の採用試験も公務員試験の一つとして受けています。他にも国家公務員のI種・II種、東京都特別区、国税専門官、地方県庁と受けて、最初に内定をもらったのが筑波大学でした。
筑波大学の活気があって開放的なキャンパスには職場環境としてよいイメージがありましたし、就活のために好きだった英語を勉強していたのと、外国人と関わることが楽しかったのが大学での経験としてありました。それが国際化を進める筑波大学の方向性とも合致し、入職を選びました。

――ビジネスに向いていないと言いながら、今は大学経営推進局でお仕事されていて、違和感とかありませんか?

大学経営推進局はそこまで「ビジネス」ではありません(笑)。就活の時にビジネスに興味を持てなかったというのは、目的がよくわからなかったからです。例えば飲料メーカーならお客さんに喜んでもらうとか、金融機関なら取引先を繁栄させたいとかでしょうか。しかし、大学生で社会経験の乏しかった当時の私には、民間企業は利益を上げることが第一の目的であり、それぞれの事業を通じた社会貢献というのは後からついてきた目的であるように感じられてしまい、あまり共感はできませんでした。それに対して、大学であれば教育により人を育て、社会を作っていくという、誰もが大事だと思うはっきりした目的があるじゃないですか。そのような分かりやすい目的があったことも、大学で働くということに魅力を感じた理由の一つでした。

――10年前と言えば、関わる人すべてが共通して見る「ビジョン」を策定するところはまだ企業でも少なかったという時期ですね。筑波大学では大学の目的、存在意義として「建学の理念」がまず来ますが、なぜその筑波大学に入職しようと思ったのでしょうか?

地元出身ということなどいろいろありますが、面接をいろいろ受けている中で、人事の人の人柄が一番よさそうだったのが筑波大学でした。上から目線で評価しようという質問があまりなく、相手の話を聞いていいところを見つけていこう、そこから人柄を見て判断しようという姿勢が伝わってきました。

――自分を見てもらった、ということでしょうか?

悪いところをあら探しするのでなく、いいところを見つけてもらったという感じです。その流れは今も続いているようですね。入ってから、その印象は正しかったと思いました。斜に構えている人や卑屈になっているような人はあまりいないように思います。正論が通じる環境だし、やる気を活かしてくれる人の方が多い気がします。

――やる気を出させてくれるような人の雰囲気が面接の時に感じられて、それは今でも同様に感じているということですね。話は戻りますが、活気のあるキャンパスで働くイメージという話がありましたが、働く場所としての筑波大学のキャンパスの魅力や筑波大学らしさって何だと思いますか?

まず、広いということですね。門などがなく、街と一体化しているような、開放的というイメージだと思います。他の大学だと、「ここからここまでが大学」と区画がはっきりしている大学もあります。街と一体化しているのはよい特徴かもしれないですね。

――こういう仕事をしたくて筑波大学というのはありましたか?

やはり国際化関連の仕事ですかね。私が入職したのは2011年ですが、2009年にグローバル30(文部科学省による大学の国際化のための補助事業)が始まっていたので、その時期の筑波大学は国際化に本腰を入れた大学の一つでした。そのような大学は今ほど多くなかったと思います。ただ、職務内容のことまでは考えておらず、漠然と国際化のこととか学生に関する仕事をしたいということを思っていました。

――大学職員を目指す方の場合、この職務をしたいというのが明確に出てくるのか、大学で働きたいというのが先に出てくるのか、どちらの方が多いのでしょう?

おそらく、大学で働きたいというのが先に来る方が多いです。ルートにもよるのでしょうが、私は法人職員採用試験で主に新卒の人が受けるルートでしたから、この仕事をやりたいと言うよりは、大学に入っていろいろな仕事を経験していくのかなと思って入りました。中途採用で受ける民間出身の方などは、職務内容の希望の方が先に来る場合もあるのかもしれません。

――そうすると、「この大学で働きたい」という必然性は入職してから研ぎ澄まされていくという感じでしょうか?

私の場合はそうですね。一方、本学の卒業生では、大学新聞の記者をやっていたような経験があり、はじめから筑波大学への母校愛を持って入職している人もいます。他の国立大学職員の知り合いでもそのような方がいますね。

――確かに母校愛という人もいますね。筑波大学を職場として選ぶ理由が他にあるとすれば、何だと思いますか?

つくば市という立地もいいですね。東京に近いほどよい郊外で、すごく住みやすいと思います。人口が増える一方で高校が足りないなどの課題が指摘されることがありますが、総じてみれば教育環境もよさそうに思います。茨城県の出身で、地元を出て都会に行きたいという気持ちが強かった高校時代の私であればつくばという土地は選ばなかったかもしれませんが、働く環境としては逆に非常に魅力的に感じました。

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